丹治ひこ太

こだいらまちづくり日記

お熱いのがお好きではない、長谷部先生。

 憲法審査会で与党推薦の長谷部先生が安保関連法案を違憲と述べました。長谷部先生を知っていらっしゃる方なら当然と思うでしょう。私も法科大学院で最初に憲法を習ったのが先生でした。
 憲法、それは熱い学問、と考えていた私には先生のアメリカナイズされた功利主義的でロジカルで醒めた論法は衝撃的でした。おそらく55年組と言われる先生たちの世代はその前の全共闘世代の熱さを不快に思っていた気がします。いわゆるしらけ世代ですね。
 今日は、その先生の「押しつけ憲法論」批判のロジックを紹介します。初めは、魂がこもってないな、と思っていましたけど、最近はその味わい深さを感じています。
 まず、日本国憲法が制定された時点では、まだ大日本帝国憲法下であることを知っていなければなりません。そして、「押しつけ憲法論」の前提は国民主権であることに気が付かなければなりません。そうです、大日本帝国憲法天皇主権です。国民主権も押し付けられたものなのです。国民主権だけ所与の前提として受け入れ、それに基づいて憲法を排撃するのはあまりにも都合のよい議論だということです。
 さらにいえば、大日本帝国憲法天皇(もしくはその裏の政府)によって押し付けられた欽定憲法なのですから、押しつけ憲法論を言う人はそこら辺から論理を組み立てなおさなければならないのではないでしょうか。

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