丹治ひこ太

こだいらまちづくり日記

能動的解散権について

 衆議院解散による衆参同日選が巷間で口にされているが、そもそも内閣不信任に基づかない解散権が首相にあるかどうかは学説的に議論があるところで、ただ、現実としてそうなされてしまっている。レファレンダム的機能をその根拠とするが、争点一つで選挙をするというのは粗雑すぎる。

 この内閣不信任に基づかない解散権を能動的解散権と名付けた場合、例えば、G7諸国ではそうしたものがあるのか調べてみた。

 アメリカにはそもそも解散がない。

 イギリスとカナダは最近の法改正で解散がなくなった。

 ドイツには受動的(内閣不信任に基づく)解散権はあるが、能動的解散権はない。

 フランスには大統領に能動的解散権のみがある。イタリアにも大統領に能動的解散権のみがある。双方とも首相には解散権がなく、実質的には政治的混乱の内閣不信任状況で大統領が首相に代わって解散権を行使すると言っていいだろう。

 あまり外国がどうのこうのとは言いたくないが、空手形の解散権が与えられているのは日本ぐらいだろう。許されるとしても、選挙で勝てるタイミングで解散するというのは許されないことは自明のことである。
 もし、憲法改正をするなら、能動的解散権を禁止し、レファレンダムを規定すべきではないか。原発の可否などは総選挙で争点になりにくいことから言えば、うってつけの対象である。

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