丹治ひこ太

こだいらまちづくり日記

 還付金付き消費税にすべき

 小泉政権下、新自由主義の旗振り役でありながら、その後猛省し、立場を変えた中谷巌さんが、『資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言』(集英社インターナショナル、2008)において、消費税の逆進性の解消法として、「還付金付き消費税」というものを提案している。

 軽減税率の逆進性緩和効果は薄い。なぜなら、低所得世帯では、食料品などに支出する金額が少なく、軽減税率に伴う実質的な還付額も小さくなり、軽減税率の対象を広げれば、かえって高所得世帯の実質的な還付額が増えることになるからである。

 その点、中谷さんが提案する 「還付金付き消費税」は緩和効果が高い。

 例えば、消費税を10%にUPするかわりに、国内在住の全ての人に一律に毎年10万円支給という方法である。

 これであれば、低所得であればあるほど消費税の負担が少くなる。そして、①消費税負担より還付金が上回る低所得者への実質的補助になる②子供といった扶養家族が多い世帯への負担は低減される③結果的に低所得者の可処分所得増での消費増に繋がる。という利点もある。

 これはベーシックインカムの考え方を基にしたものである。高所得者も含めて一律に同じ金額を支給するという点が味噌である。国民各層を分断しない政策が求められている。

 

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