丹治ひこ太

こだいらまちづくり日記

小平市の住民投票とスコットランドの住民投票の間で

 僕が小平市住民投票に直接的に関わったのは住民投票条例が成立してからです。もちろん、それまでの経緯は知っていました。しかし、成立要件がつけられ、なんとかせねばと、遅ればせながらオヤジの熱い血潮を沸き立たせたのでした。

 すごいなと思ったのは、「住民参加により計画道路を見直すか見直さないか」を争点にしたことです。みなさん、道路の賛成反対を争ったのではないんですよ。じつは、ここがとても大きな違い。

 みなさんは行政がいろいろな事業をやるときの説明に出たことあります?これがなんと言おうか、実に「説明」会なんですね。つまり、説明をするだけ。彼らのやりたいことを一方的に伝えるだけなわけです。「対話」っていうやつがないんです。

 もちろん、質問は受け付けます。そして、返答もします。しかし、再質問は許されないんです。たいていの場合、質問者はそれで納得いくわけないですよね。

 また、行政が考えている以上に、一般の人々の中にはすばらしいアイデアを持っている人がいます。そういう人の発言なんか聞く気など一切ない。

 こうやって、市民に無力感を味あわせ、最終的には政治的無関心をまんえんさせちゃっているわけです。

 もっと、対話を重ね、アイデアを出し合い、納得しあうまで考えればもっといい結論が出ると思います。

 先日、NHKで「みんなで話して決めていく」という番組をやっていました。宮城の岩沼市の玉浦集落が、震災被害後、徹底的にワークショップをやって、住民合意で集団移転した話です。話し合いは面倒くさいことかもしれませんが、結局、その面倒くさい作業をした集落が、震災後一番最初の集団移転に成功したそうです。急がばまわれとはこのことです。

 で、何をいいたいかというと、今回の小平市住民投票は、道路が賛成反対ではなくて、そういう対話の場を求めたということです。

 一方、スコットランド住民投票は、そういう対話を市民レベルで徹底的にやった果ての投票でした。またまた、NHKで申し訳ありませんが、スコットランド住民投票があんなに盛り上がる前に、NHKBSで「激動スコットランド」というドキュメンタリーをやっていました。賛成反対の人が冷静に議論しあい、説明していました。そうした後の決選投票だったわけです。

 この二つの住民投票の間で、スコットランドの様に社会の仕組みを変えていきたいと感じたのは僕だけではないはずです。

 

問い合わせ先:hikotatanji@gmail.com